第21回ラクロス全日本選手権・女子準決勝戦(東京会場)

2010/12/18

第21回ラクロス全日本選手権大会・女子準決勝戦(東京会場)

日時:2010年12月12日(日) 11:00試合開始
場所:
東京・大井ふ頭中央海浜公園第二球技場

日本体育大学(大学選手権1位) vs Sibylla(クラブ選手権2位)

日本体育大学

スコア
                                                                                          
チーム 前半 後半 延長 TOTAL
日本体育大学 2 2 0 4
Sibylla 3 1 1 5

得点者

日本体育大学 Sibylla
#48 折原和枝 (1)
#14 亀岡真美 (2)
#50 山口満里奈 (1)
#7 高橋えり (1)
#51 川田佳代 (1) #8 大原妙子 (1)
#88 板敷美穂 (1) #34 増田絵利 (1)

審判

審判

主審 五東幸子
副審 野田淑子
森山さやか
椎木絵理

ゲームレポート

 日毎に寒さが増す中、クラブ選手権2位のSibyllaと、大学選手権1位の日本体育大学(以下日体)がぶつかる熱い戦いが幕を開けた。Sibyllaには日体の卒業生が多く在籍しているため、先輩-後輩対決となりどちらも負けられない戦いだ。

 ドローをとったのは、sibylla。まだ体が固いようでパスがつながらない。日体がそれを拾って、#50山口が右上から走り込んでゴール右下の角に決める。徐々に日体ペースになり、ボール保持時間も日体が長くなってくる。流れを引き寄せたいsibyllaのDFにイエローカードが出る。ファールが続きフリーシュートを与えてしまい、日体#51川田がしっかり決める。その後、両チームとも攻めるが、ボールを落とし落とされが続く。Sibyllaはフリーシュートを得るも決められず、決まったと思われた日体のシュートもノーゴールとなる。試合開始10分が経過しても波に乗りきれなずゴールがないsibyllaは、ここでタイムアウトをとる。このタイムアウトでSibyllaが本来の姿を取り戻す。#4高安からのゴール前のパスが通り、#14亀岡がねばり強い日体の守りを破った。そしてsibyllaに波がくる。あたりが強い日体DFにファールが出るようになる。フリーシュートを得て、#14亀岡が2得点目をあげる。三秒ファールでグリーンカード、デンジャラスチェックでイエローカードが立て続けにでる。Sibyllaにフリーシュートがさらに二本くるが決まらない。しかし、Sibyllaの攻めは終わらない。日体がボールをとっても玉際の強さで日体にハーフまでしかボールを運ばせない。前半ラスト二分で#34増田がフリーシュートを決め、3-2とSibyllaが勝ち越して前半を折り返す。

日本体育大学 vs Sibylla日本体育大学 vs Sibylla

 後半、最初のドローを取ったのはSibylla。このドローからSibyllaがボールを離さない。確実なパス回しから一対一に持ち込む。個人技の光るSibyllaのスピードある攻めに、観客もひきこまれる。日体の微かなディフェンスの隙を狙って、Sibyllaがシュートを撃ち込んでくる。ここを日体ゴーリーがセーブ、クリアから日体も敵陣に攻め込むが、Sibyllaのゴール前のディフェンスの固さでなかなかゴールが決まらない。落ちたボールをまたすぐにSibyllaに奪われてしまう。パス回し中に落としたボールも着実にまた自分達のものにするSibyllaに、なかなか隙が見えない。しかし、勢いで劣る日体ではなかった。Sibyllaのシュートミスのボール、これを日体が拾う。ここから日体が、Sibyllaに負けじとスピードに乗った攻めを見せる。後半の一点が欲しい日体。ゴール裏から、日体#6勝見奈月が一対一を仕掛ける。固いSibyllaのディフェンス陣が寄った所のスペースに、日体#48折原和枝が流れる様に入りこみシュートを放つ。強い攻め気の末、後半先制点を日体がとる。この一点に刺激されたかのように、またしてもSibyllaが猛攻激を仕掛けてくる。Sibyllaが3連続でシュートを撃つも、日体ゴーリーが好セーブの気持ちの強さを見せる。ここからも両チーム、自分のボールにするがなかなか得点まで繋がらない。
 後半15分、日体のパスミスから一気にSibyllaが攻め込む。ゴールまで運び込みSibylla #7高橋えりがシュートするも、日体ゴーリーのセーブ、日体が素早い攻守の切り替え。日体が上から一気にボールを持って駆け上がる。ゴーリーから始まった良い流れを日体#88板敷美穂がシュートした。4-3で日体リード。一気に盛り上がる日体。ここでSibyllaがタイムアウト。タイムアウト後もドローから攻める日体だが、後半ラスト9分にきてもまだまだ鉄壁のSibyllaゴール前。ボールが落ちる。ダウンボールに強いSibyllaが拾う。ハーフラインから自分の足で運び一対一、遠めから撃ち込んだシュートがゴールとなる。ラスト7分でSibyllaの得点により4-4。あと7分で絶対一点が欲しい両チームの意地がぶつかり合う。ゴール前の固いディフェンスで落としてくるSibylla、チームワークと組織で攻め込む日体。どちらのシュートもなかなか決まらずに笛がなる。一進一退の攻防が続き4-4で試合終了。サドンビクトリーが決まった。

 3分の休憩でもなかなか観客の興奮は冷めない。どちらが先に一点を決めるのだろうか。誰にもわからなかった。ドローが上がる。取ったのは日体であった。そのまま日体が一気に攻め込む。日体#58添田千聖がシュートを撃つも、Sibyllaゴーリーがセーブする。今度はそのままSibyllaが攻め上がる。しかし、ミスからまたしても日体にボールが渡る。両チームゴール前まで繋ぐがシュートとならない。その後、Sibyllaのデンジャラスチェック。日体にフリーシュートが与えられるが、ホイッスル直後にチャージングを取られボールをSibyllaが持った。そこからゴールの待つコートまで運ぶSibylla。#14亀岡真美から中に切れ込んできた#7高橋えりにパス。日体ディフェンスと一対一、一瞬見えたゴールの隙に遠めから素早くシュートを撃つ。ゴールネットが揺れた。サドンビクトリーの末、5-4でSibyllaが勝利を収めた。

 整列後、日体#35中本なつ美が、「先輩方に憧れて追いつきたくて、この4年間頑張りました。全力を出し切ったので後悔はありません。」と4年間を注いだラクロスについて自分達を破ったSibyllaの前で泣きながら語った。12月19日のラクロス全日本選手権大会ではこの彼女達の熱い思いも共に活躍するSibyllaに期待したい。

日本体育大学 vs Sibylla日本体育大学 vs Sibylla

・Report:藤原盟(神奈川大学)/梅野亜澄(神奈川大学)
・Photo:日本ラクロス協会オフィシャルフォトグラファー・海藤秀満


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